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2017.11.16

宮城県仙台市で産業廃棄物収集運搬業の許可をとるPART6

みなさんこんにちは!tetote行政書士事務所です。

前回までは産業廃棄物施設設置許可・処分業許可と書いてきましたが、今日はいよいよ産業廃棄物収集運搬業許可について書きたいと思います。

【収集運搬業について】

産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く)の収集又は運搬を業として行おうとする場合、当該業を行おうとする区域(収集はせずに運搬のみを業として行う場合にあっては、産業廃棄物の積み下ろしを行う区域に限る)を管轄する都道府県知事の居kあを受けなければなりません。つまり、積む場所と降ろす場所の許可が必要となります。

(例1)

宮城県内のA地点から宮城県内のB地点まで運搬する場合

→宮城県知事許可

(例2)

宮城県内のA地点から岩手県内のC地点まで運搬する場合

→宮城県知事許可と岩手県知事許可

また、親会社や元請が出す産業廃棄物を子会社や下請け業者・取引業者が運搬する場合は、自己運搬ではないので許可が必要となります。

例えば、下請け業者が資材などを自己調達して工事をし、それによって排出された産業廃棄物はあくまで元請けの事業により排出されたものと考えることになります。したがって、収集運搬業の許可を取得しなければ、下請け業者が勝手に運ぶことは違法となります。ちなみに、廃材や端切れなどの名目だとしても、それは産業廃棄物として扱われるので注意しましょう。

ところで、宮城県の許可ではなく仙台市の許可というものがあります。どういった場合に仙台市の許可が必要になるのでしょうか?

【政令市の許可が必要となるケースについて】

以下の①②の場合には都道府県ではなく政令市の許可が必要となります。

①政令市の区域内で積替え保管を行う場合(例えば、宮城県内で収集運搬を行うが、仙台市で積替え保管をする場合)

②都道府県内において一の政令市のみで業を行う場合(例えば、仙台市内だけで収集運搬業を行う場合)

もっとも、ある都道府県内全域で収集運搬業を行う場合で、ある政令市で収集運搬をする場合には都道府県の許可のみでよい。

【収集運搬業の種類】

 収集運搬業には、収集運搬する産業廃棄物の種類による分類と、積替え保管を行うか否かの分類があり、以下の4通りの許可ケースがあります。

・産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)

・産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管あり)

・特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)

・特別管理産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管あり)

【許可基準について】

収集運搬業の許可基準としては、①その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合し、②欠格事由に該当しないこと、が必要です。

具体的には以下のとおりです。

1.講習会を修了していること

 法人ならば代表者、役員又は事業場の代表者が、個人ならば本人または事業場の代表者が一般財団法人日本環境衛生センターの主催する「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会」の収集・運搬課程を修了していること。

→講習会はこちらから

2.以下の欠格事由に該当しないこと

 イ 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者

 ロ 禁錮以上の刑を受け、5年を経過していない者

 ハ 暴力団の構成員である者

   など

3.経理的基礎があること 

産業廃棄物の収集運搬業を的確、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎があること。継続的に運搬車両・保管場所の使用権原があることなども考慮要素となります。

4.環境への配慮

産業廃棄物が飛散・流出・悪臭発散するおそれのない車両や容器等を有すること。積替え保管を行う場合には、産業廃棄物が飛散・流出・地下浸透・悪臭発散しないように必要な措置を講じた施設があること。また、車両が条例の排ガス基準に適合していることなども考慮要素となります。

5.収集運搬事業計画

収集運搬事業計画をs買う製紙、産業廃棄物の種類、予定排出事業者、予定運搬先、月当たりの予定運搬料、運搬方法などを記載していきます。

【車両の種類はどんなものが必要なの?】

車両の種類としては、キャブオーバ(平ボディー)、脱着式コンテナ専用車(アームロール)、ダンプ、セミトレーラ、フルトレーラ、塵芥車(パッカー車)、吸引車(バキューム)などがあります。車両の種類にはほぼデイ減がなく、軽自動車でも可能です。もっとも、業として収集運搬を行うからには、それに見合った車両であるべきなのは言うまでもありません。

車両は自己所有だけでなくリースでも可能です。しかし、レンタルはNGです。許可申請も際には車検証の写しと車両の写真を添付します。また、リースの場合にはリース契約書などを添付します。

運搬容器については、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、ないじんなどは、飛散や流出を防ぐためにドラム缶(汚泥・廃油・ばいじん等)やポリタンク(廃酸・廃アルカリ等)、フレコンなど必要になる場合があります。また、車両の荷台の形状によっては、これら以外の廃棄物であっても容器などが必要になる場合もありますので事前に確認しましょう。

【許可の有効期間】

許可の有効期間は5年間です。その後も収集運搬業を継続する場合には許可の更新が必要となります。更新をするには許可更新の手続きが必要になります。

【積替え保管の許可は必ずとれるの?】

ところで、収集運搬業には積替え保管をする場合としない場合で許可が異なります。よくあるご相談で積替え保管をしたいという業者さんがいらっしゃいます。積替え保管の許可申請にあたり、許可基準を満たしていそうなので「これから積替え保管の許可をとりたいんだけど」と担当行政に相談に行くと、「ああ、積替え保管ですか…」と難しそうな顔をされることがあります。このように、「積替え保管は厳しめに」というような方針の自治体も中にはあるようです。

基本的な考え方として、積替え保管は産業廃棄物の中間処理場や最終処分場が事業場から非常に遠く、その日のうちに産廃物を持っていくことができない、というような相当な理由が必要なようです。ですので、例えば「工事が夜間に行われるため最終処分場閉まっている」という理由の場合、一晩車両に積んだまま翌日に運ぶことは通常の産業廃棄物収集運搬業の許容範囲になりますので、積替え保管が必要だという理由にはなりません。また、「運搬コストの削減のため、ある程度産業廃棄物を溜めてから運搬した方が効率がよい」という理由も積替え保管の許可を申請する際の理由としては弱いものとなります。

積替え保管の許可申請をお考えの方は、是非一度ご相談下さい。

【変更の届出】

例えば、役員に変更があったり、増車又は減車(廃車)した場合など、許可を受けたときの内容に変更が生じた場合には、変更を生じたときから10日以内に変更の届出が必要とされています。

しかし、10日以内に届出をしている業者さんはほとんどないのが現状で、行政もある程度の期間内は目をつぶってくれています。しかし、法令上、罰則をもってのぞんでいますので、なるべく早めの届出を心がけましょう。

○申請手数料

〈宮城県〉宮城県の県証紙で支払い

・積替え保管なし

新規:¥81,000

更新:¥73,000

〈仙台市〉現金で支払い

新規:¥81,000

更新:¥73,000

以上、収集運搬業についてでした。収集運搬業の許可は比較的取りやすい許可でありますが、実際に書類を書いてみるとなかなかの情報量に驚きます。ご自身で書かれるとなかなか時間がかかるのではないでしょうか。tetote行政書士事務所では、産業廃棄物収集運搬業の許可取得手続きを承っております。是非お気軽にご相談ください!