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2020.07.07

財務指標①【安全性】

財務指標とは?

「財務諸表」は聞いたことがあるかもしれませんが、「財務指標」は聞き馴染みがないかもしれません。

財務分析指標とは、その会社の財務状況がどんな状況にあるのかを分析するためのものさしのようなものです。もっと簡単に言うと、その会社のお金回りがどのような状況にあるのかを確かめるためのものさしです。「この指標の数値が高いとその会社は安全だ」というように会社の財務状況を判断できる便利なものさしです。

「そんな数字だけでうちの会社のことがわかるわけないだろ!」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんね。もちろん、財務指標だけでその会社の中身が完全にわかるわけではありません。しかし、外部の人にとっては会社の中身がわからないからこそ、この財務指標に頼らざるをえないわけです。特に資金調達においては、この財務指標が重要な要素となります。融資を受けやすい体質にするためにはこの財務指標を意識しておくことが重要と言えます。

それでは、各財務指標について解説していきます。たくさんの指標があるため、「安全性」「収益性」「効率性」「返済能力」というカテゴリに分け、4つの記事に分けて解説します。

 

財務指標①【安全性】

安全性とは、その会社のお金回りに無理がかかっていないかということを表す指標です。

会社の安全性をはかる指標として自己資本比率、ギアリング比率、流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率などがあります。

 

自己資本比率

自己資本比率=純資産÷総資産×100

自己資本比率とは、総資産に対する自己資本の割合を表す指標です。自己資本というのは借入ではない純粋な資産、つまりは純資産のことですね。

自己資本比率が高いほど、負債(借入)に頼らず自己資本で経営しているということになり、安全性が高いと判断できます。

自己資本比率を高めたい場合は純資産を増加させる、つまり利益を出すか増資をすることが考えられます。また、総資産を減少させるという方法も考えられます。総資産を減少させるというのは、例えば固定資産をあまりもたない等です。不要な資産を極力減らし、総資産を減少させることが可能です。

 

ギアリング比率

ギアリング比率=有利子負債合計÷純資産×100

ギアリング比率とは、有利子負債(融資)にどのくらい依存した経営をしているかを表す指標です。有利子負債は返済義務のある資本ですので、当然ながら、ギアリング比率は数値が低い方が安全な経営と言えます。

 

流動比率

流動比率=流動資産÷流動負債×100

「流動」資産と「流動」負債ということばが出てきましたね。流動資産とは1年以内に換金可能な資産、流動負債とは1年以内に返済すべき負債のことです。

つまり、流動比率は流動負債を流動資産でどのくらいカバーできているのかを表す指標と言えます。カバーされている割合が高い方が安全なので、流動比率が高い方が安全性も高いと言えます。

 

当座比率

当座比率=当座資産÷流動負債×100

当座比率は先ほどの流動比率をもっと厳しくした指標です。当座資産とは、現金・預金、売掛金、受取手形の合計です。流動資産にはこの当座資産の他に有価証券や棚卸資産などが含まれています。有価証券や棚卸資産などは不良債権などが含まれるため、もっと厳密に資産を絞り込んだものが当座資産というイメージですね。より厳しく短期的な支払い能力をみたい場合に当座比率を使うというイメージです。流動比率と同じく、当座比率が高いほど安全性が高いと言えます。

 

固定比率

固定比率=固定資産÷純資産×100

固定比率とは、固定資産に運用された資金の内、どれだけ返済義務のない自己資本でまかなわれているかを表す指標です。

固定資産は長期的に利益を得るためのいわば投資のようなものです。ですので、固定比率は100%以内を目指すべきと言われています。100%を上回るということは自己資本で賄いきれないほどの過剰な投資を行っているということを意味します。投資でこけたとしたら怖いですよね?ですので、固定比率が低いほど安全性は高いと言えます。

 

固定長期適合率

固定資産÷(固定負債+純資産)×100

固定長期適合率とは、固定資産のうちどのくらい自己資本と長期借入金で賄われているかを表す指標です。

固定資産を購入するときに、自己資金だけで賄える企業さんはそう多くはないと思います。通常は借入などを行うことが多いのではないでしょうか?

もし、固定長期適合率が100以上になった場合、自己資本と長期借入金で賄えていないということになります。この場合、通常は短期借入金で賄うことになりますが、短期借入金は返済期日がすぐにやってくる負債です。足りなければまた借入を行います。ですので、長期適合率が100%を超えるということは資金繰りが忙しいということに他なりません。したがって、長期適合率は100%以下に抑えることが望ましいと言えます。

 

【記事の執筆者】

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