積替え保管の許可はとれるの?

積替え保管の許可は必ず取れるの?

例えば、4tトラックで収集してきた産廃物を積替え保管してある程度たまってから10tトラックで処理場に運ぶことができたら大変経済的ですね。

では、要件を満たせば取得できるのか?というと、そういうことではありません。

とはいっても、要件すら整っていなければ取得の可能性もなくなるので、まずは積替え保管の要件を確認してみましょう!

積替え保管の要件

積替え保管の要件には「産廃物の保管基準」「収集運搬における積替え保管基準」があります。

産業廃棄物の保管基準
  1. ① 保管場所の周囲に囲いが設けられていること。保管する産業廃棄物の荷重が囲いに直接かかる場合には、その荷重に対して構造耐力上安全であること。

  2. ② 産業廃棄物の保管に関して必要な事項を表示した掲示板が見やすいところに設けられていること。

    1.  ⑴ 産業廃棄物の保管の場所である旨の表示

    2.  ⑵ 保管する産業廃棄物の種類 (当該産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨を含む)

    3.  ⑶ 保管場所の管理者の氏名または名称および連絡先

    4.  ⑷ 屋外で容器を用いないで保管する場合は、最大積み上げ高さ

    5.  ⑸ 掲示板の大きさ 縦60㎝以上×横60㎝以上

  3. ③ 保管場所から産業廃棄物の飛散、流出、地下浸透、悪臭発散が生じないような措置を講ずること。

  4. ④ 産業廃棄物の保管に伴って汚水が生ずるおそれがある場合は、公共水域および地下水の汚染防止のために必要な排水溝、その他の設備を設けるとともに、それらの設備の底面を不浸透性の材料で覆うこと。

  5. ⑤ 保管場所には、ねずみが生息したり、蚊、ハエその他の害虫が発生したりしないようにすること。

  6. ⑥ 産業廃棄物を容器に入れずに屋外で保管する場合は、次のようにすること(図1)。

    •  ・廃棄物が囲いに接しない場合は、囲いの下端から勾配50%以下。

    •  ・廃棄物が囲いに接する場合(直接、壁に負荷がかかる場合)は、囲いの内側2mは囲いの高さより50㎝の線以下とし、2m以上の内側は勾配50%以下とする。(勾配50%とは、底辺:高さ=2:1の傾きで約26.5度)

石綿含有産業廃棄物にあっては、次に掲げる措置を講ずること。

  1. ① 保管の場所には、石綿含有産業廃棄物がその他の物と混合するおそれのないように、仕切りを設ける等必要な措置を講ずること。

  2. ② 覆いを設けること、梱包すること等石綿含有産業廃棄物の飛散の防止のために必要な措置を講ずること。

収集運搬における積替え保管の基準
  1. ① あらかじめ、積替えを行った後の運搬先が定められていること。

  2. ② 搬入された産業廃棄物の量が、積替え場所において適切に保管できる量を超えないこと。

  3. ③ 搬入された産業廃棄物の性状に変化が生じないうちに搬出すること。

なお、保管基準の具体的な内容については、項目 (1) 産業廃棄物の保管基準、項目 (2) 特別管理産業廃棄物の保管基準に準じることになります。
収集・運搬における積替保管数量の上限は次のとおりです。
保管上限=1日当たりの平均搬出量×7
ただし、船舶を用いて産業廃棄物を運搬する場合で、船舶の積載量が積替えの保管上限を上回るとき、あるいは使用済み自動車等を保管する場合を除きます。

実際は?

積替え保管の許可申請にあたり、許可基準を満たしているので「これから積替え保管の許可をとりたいんだけど」と担当行政に相談に行くと、「ああ、積替え保管ですか…」と難しそうな顔をされることがあります。このように、「積替え保管は厳しめに」というような方針の自治体も中にはあるようです。

基本的な考え方として、積替え保管は産業廃棄物の中間処理場や最終処分場が事業場から非常に遠く、その日のうちに産廃物を持っていくことができない、というような相当な理由が必要なようです。ですので、例えば「工事が夜間に行われるため最終処分場閉まっている」という理由の場合、一晩車両に積んだまま翌日に運ぶことは通常の産業廃棄物収集運搬業の許容範囲になりますので、積替え保管が必要だという理由にはなりません。また、「運搬コストの削減のため、ある程度産業廃棄物を溜めてから運搬した方が効率がよい」という理由も積替え保管の許可を申請する際の理由としては弱いものとなります。

積替え保管の許可申請をお考えの方は、是非一度ご相談下さい