ブログ

2019.04.20

監理団体になるには?【監理団体の許可】についてわかりやすく解説

【広告】誠実と信頼。監理団体の設立はtetote行政書士事務所へ。
監理団体の新規設立でお困りではありませんか?「何から手をつけていいかわからない…」「時間がなくて話が進まない…」という方は是非tetote行政書士事務所にご相談下さい。

こんなお悩みありませんか?

✔︎監理団体を立ち上げたいけど手続がよくわかんない…

✔︎うちの組合は監理団体になれるの?

この記事では、監理団体になるための許可についてわかりやすく解説しています。

監理団体とは?

監理団体とは、許可を受けて実習監理を行う団体のことを言います(技能実習法2条10項)。実習監理とは、実習生を受け入れる団体と実習生の間における雇用関係の成立のあっせん及び受入団体に対する技能実習の実施に関する監理を行うことを指します(同法2条9項)。

監理団体は許可制となっており、監理団体の許可を取得することで技能実習生のあっせんができるようになります。
ちなみに、以前は組合としての活動が1年以上ないと外国人の受入ができないという制限がありましたが、現在ではそのような制限はありません。また、職業紹介事業の許可を取得しなくても、監理団体の許可を得れば外国人技能実習生のあっせんを行うことができます。

 

監理団体の許可について

監理団体の許可は「一般監理事業許可」「特定監理事業許可」の2種類が存在します。

〇「何がどう違うの?」
監理できる技能実習が異なります。
一般監理事業とは、第一号から第三号の団体監理型技能実習を行わせる団体監理型実習実施者について実習監理を行う事業のことを指します。
特定監理事業とは、第一号団体監理型技能実習又は第二号団体監理型技能実習のみを行わせる団体監理型実習実施者について実習監理を行う事業をいいます。

〇「第一号とか二号とかって何?」
いわゆる「技能実習◯号」と呼ばれるもので、一年目は技能実習1号、2・3年目は技能実習2号、4・5年目は技能実習3号というように、技能実習は3段階に別れているんですね。つまり、一般監理事業の場合は技能実習生をマックス5年間面倒見ることができ、特定監理事業の場合は1年目または2・3年目の技能実習生の面倒を見るということになります。
第1号から第3号技能実習生のイメージは下図のようになります。

 

ところで、監理団体としてはマックス5年の一般管理事業許可を取りたいことと思います。もっとも、一般管理事業許可には「優良な監理団体」であることが求められています。優良な監理団体とは、次の要件を満たした監理団体のことをいいます。

【「優良な監理団体」の要件】

以下の各項目の合計120点満点中6割(72点)以上となること
① 実習の実施状況の監査その他の業務を行う体制(50点)
・監理事業に関与する常勤の役職員と実習監理を行う実習実施者の比率
監理責任者以外の監査に関与する職員の講習受講歴 等
② 技能等の修得等に係る実績(40点)
・過去3年間の基礎級、3級、2級程度の
技能検定等の合格率* 等
*3級2級については、新制度への移行期は合格実績を勘案
③ 法令違反・問題の発生状況(5点(違反等あれば大幅減点))
・直近過去3年以内の改善命令の実績、失踪の割合
④ 相談・支援体制(15点)
・他の機関で実習が困難となった実習生の受入に協力する旨の登録を 行っていること
・他の機関で実習継続が困難となった実習生の受入実績 等
⑤ 地域社会との共生(10点)
・実習実施者に対する日本語学習への支援
・実習実施者が行う地域社会との交流を行う機会・日本文化を学ぶ機会の提供への支援

 

監理団体の許可要件

⑴非営利法人であること

監理団体は技能等の移転による国際協力の推進を目的とする技能実習制度において重要な役割を果たす機関であり、本邦の営利を目的としない法人であることが求められています。具体的には、省令で認められる法人形態が列挙されており、原則として、商工会議所、商工会、中小企業団体、職業訓練法人、農業協同組合、漁業協同組合、公益社団法人又は公益財団法人であることが必要とされています。
※事業協同組合についてはこちらの記事をご覧ください

もっとも、これ以外の法人形態で監理団体になろうとする場合には、(ア)監理事業を行うことについて特別の理由があること、(イ)重要事項の決定及び業務の監査を行う適切な機関を置いていること、を満たすことを立証していただく必要があります。なお、(ア)については、過去3年以内に、以下の①または②を行った実績があり、当該実績を資料等により明確に示すことが要件となります。
① 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18 年法律第49号。以下「公益認定法」という。)上の「公益目的事業」に該当する業務
② 職業訓練、教育支援、我が国から外国への技能等の移転に関する業務等、人材育成の支援に関する業務

 

⑵業務実施の基準を満たしていること

監理団体は、許可を受ける際に「監理団体の業務の実施に関する基準」に従って適正に行うに足りる能力を有することが必要であり、許可を受けた後は、当該基準に従って、業務を実施しなければなりません。その内容は、以下の①~⑬のとおりです。

①監査に関するもの

監査は、監理責任者の指揮の下で、3か月に1回以上の頻度で、実習実施者に対して適切に行うことが必要です。監査を行った場合には、監査報告書(省令様式第22号)により、その結果を対象の実習実施者の住所地を管轄する機構の地方事務所・支所の指導課に報告することとなります。

監査の際には、原則として、①技能実習の実施状況を実地に確認すること、②技能実習責任者及び技能実習指導員から報告を受けること、③技能実習生の4分の1以上と面談すること、④実習実施者の事業所の設備、帳簿書類等を閲覧すること、⑤技能実習生の宿泊施設等の生活環境を確認すること、が必要です。

一方で、例えば部外者の立入りが極めて困難な場所で実習が行われているため①の方法によることができない場合など技能実習生が従事する業務の性質上①~⑤のうちの一つ又は複数の方法について著しく困難な事情がある場合には、当該方法に代えて他の適切な方法をとることが可能です。この場合は、その理由と他の適切な監査方法を監査報告書(省令様式第22号)の特記事項欄に記載することになります。

 

②訪問指導に関するもの

訪問指導とは、第1号技能実習の場合に、監査とは別に、監理責任者の指揮の下に、1か月につき少なくとも1回以上、監理団体の役職員が実習実施者に赴いて技能実習の実施状況を実地に確認するとともに、認定された技能実習計画に基づいて技能実習を適正に行わせるよう必要な指導を行うことです。

訪問指導を行った場合は、指導の内容を記録した訪問指導記録書(参考様式第4-10号)を作成し、事業所に備え付けなければなりません。また、この訪問指導の書類の写しは、事業報告書に添付し、年に1度機構の本部事務所の審査課に提出しなければなりません。

 

③制度趣旨に反した方法での勧誘等に関するもの

技能実習が、労働力の需給の調整の手段として行われることはあってはなりません。この制度趣旨を正しく理解せず、労働力の需給の調整の手段として技能実習を行わせようとする実習実施者や監理団体は、受入れ機関としてふさわしくありません。

監理団体の業務実施基準(規則第52条第4号)においても、制度の趣旨に反して技能実習を労働力の需給の調整の手段であると誤認させるような方法で、実習実施者の勧誘又は監理事業の紹介をすることを禁止しています。具体的には、例えば、監理団体が、そのホームページやパンフレットなどで、技能実習生の受入れが人手不足対策になるといったような宣伝や広告を出すことは不適切な勧誘や紹介となります

 

④外国の送出機関との契約内容に関するもの

監理団体は、外国の送り出し機関から求職の申込みの取次ぎを受けようとする場合にあっては、外国の送り出し機関との間で当該取次ぎに係る契約を締結することが求められています。これに加え、監理団体は、外国の送り出し機関が保証金、違約金の徴収を行うような契約を結んでいないことについて確認し、その旨を外国の送り出し機関との取次ぎに係る契約書に記載しなければなりません(規則第52条第5号)。これは、技能実習生等から保証金、違約金の徴収を行うような外国の送り出し機関はふさわしくないため、そのことを監理団体においても確認し、外国の送り出し機関との契約書において明記することを求めるものです。

 

⑤外国の送出機関からの取次ぎに関するもの

監理団体が取次ぎを受ける場合には、外国の送り出し機関からでなければなりません。これは、技能実習生の保護の観点から、一定の基準を満たした外国の送り出し機関からのみ取次ぎを認めるものです。

 

⑥入国後講習の実施に関するもの

監理団体は、第1号技能実習において、技能実習生に対して入国後講習を行わせる主体となります。監理団体は、入国後講習の期間中は、いかなる事情があろうとも、技能実習生を実習実施者の都合で業務に従事させてはいけませんので、そのようなことがないよう十分に監理することが必要です。特に、講習時間前後の早朝や夜間に技能実習生が業務に従事したりすることがないよう、技能実習生が入国後講習に専念できる環境づくりに努める必要があります。

入国後講習を実施する施設は、入国後講習が座学で行われることに照らして、机と椅子が整えられた学習に適した施設で行われなければなりません。このため、監理団体は、通常、同時期に入国した技能実習生を、机と椅子が整えられた学習に適した研修施設に集めて、講習を実施することとなります。

入国後講習を実施した後、監理団体は、入国後講習実施記録(参考様式第4-9号)を作成し、事業所に備え付けなければなりません。

 

⑦技能実習計画の作成指導に関するもの

監理団体が実習実施者の作成する技能実習計画について指導するに当たっては、技能実習を行わせる事業所と技能実習生の宿泊施設を実地に確認するほか、認定基準及び出入国又は労働に関する法令への適合性の観点、適切かつ効果的に技能等の修得等をさせる観点、技能実習を行わせる環境を適切に整備する観点から指導を行わなければなりません。特に、適切かつ効果的に技能等の修得等をさせる観点からの指導については、監理団体の役職員のうち、技能実習生に修得等をさせようとする技能等について一定の経験や知識がある者が行わなければなりません

 

⑧帰国旅費の負担に関するもの

監理団体は、技能実習生の帰国旅費を負担するとともに、技能実習の終了後の帰国が円滑にされるよう必要な措置を講じなければなりません。

 

⑨人権侵害行為、偽変造文書等の行使等に関するもの

監理団体は、監理事業を行う上で、技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行わないこと、申請者等が不正な目的で偽変造文書等の行使等を行わないことが求められます。

「技能実習生の人権を著しく侵害する行為」の代表的な例としては、技能実習生から人権侵害を受けた旨の申告があり人権擁護機関において人権侵犯の事実が認められた場合や、監理団体が技能実習生の意に反して預金通帳を取り上げていた場合などが考えられます。

「不正な目的での偽変造文書等の行使等」の代表的な例としては、実習実施者に対する監査を法定基準にのっとって行っていない事実を隠蔽するために作成した監査報告書を機構に提出した場合や、実習実施者において法令違反が行われていることを認識しつつ技能実習が適正に実施されているかのような監査報告書を機構に提出した場合などが考えられます。

 

⑩二重契約の禁止、法令違反時の報告に関するもの

監理団体は、技能実習計画と反する内容の取決めを技能実習生との間で行ってはなりません。「技能実習計画と反する内容の取決め」の代表的な例としては、技能実習生の講習手当について、技能実習計画の認定申請の際に提出した書類に記載された講習手当より低い額の手当を支払う旨の別の合意を行っていた場合などが考えられます。

また、許可の取消事由(法第37条第1項各号)に該当するに至った場合は、監理団体は機構の地方事務所・支所の指導課に、当該事実を報告しなければなりません。監理団体による機構への報告は、報告書(参考様式第3-3号)によって行うこととなります。

 

⑪相談体制の整備等に関するもの

監理団体に相談体制の構築を求める趣旨は、実習実施者において技能実習生が人権侵害行為を受けている事案など実習実施者の技能実習指導員や生活指導員などの役職員に相談できない場合において、監理団体が技能実習生を保護・支援できるようにするためです。また、監理団体に、受け入れている技能実習生の国籍(国又は地域)に応じた相談応需体制を整備させることにより、実習実施者のみでは体制整備が困難な母国語での相談を可能とするものです。

技能実習生からの相談内容に係る対応については、監理事業に従事する役職員が行わなければならず、その内容に応じて、公的機関や実習実施者の生活指導員等と連携して適切に対応する必要があります。技能実習生からの相談に対応した場合は、団体監理型技能実習生からの相談対応記録書(参考様式第4-11号)を作成し、事業所に備え付けなければなりません。

 

⑫監理団体の業務の運営に係る規程の掲示に関するもの

監理団体は、監理団体の業務の運営に係る規程を作成し、監理団体の事業所内の、一般の人からも見える場所に掲示しなければならず、この規程に従って監理事業を行わなければなりません。監理団体の業務の運営に係る規程には、技能実習関係法令に反する事項が含まれていないことはもとより、監理団体が労働条件等の明示、団体監理型実習実施者等及び団体監理型技能実習生等の個人情報の取扱い等に関して適切に対処するための指針(平成29年法務省・厚生労働省告示第2号。以下「指針」という。)に規定された事項が遵守されることが分かる内容であることが必要です。

 

⑬特定の職種・作業に関するもの

技能実習法は、主務大臣が制度全体の適正化を図ることに加え、個別の職種分野について、当該職種に係る知見を有する事業所管省庁が一定の関与を行い、適正化を図ることができる制度となっており、事業所管大臣が当該特定の職種及び作業に特有の事情を踏まえた告示を制定することが可能となっています。

 

⑶財産的基礎をクリアすること

監理事業を健全に遂行するに当たって、監理団体は、一定程度の財務的基盤を有することが必要です。この点については、監理団体の事業年度末における欠損金の有無、債務超過の有無等から総合的に勘案されることになります。なお、この事業年度とは、技能実習事業年度を意味するものではありません。

直近期末において債務超過となっている場合には、中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が改善の見通しについて評価を行った書面の提出に当って、以下の内容を具体的に記載いただく必要があります(平成30 年6月末までの申請についての取扱い。)。

① 債務超過の主な原因
② 債務超過改善に対する具体的な取組
例えば、団体としての独自事業(事業協同組合における共同購買事業等)や増資など
※ 監理団体が実習実施者から徴収する監理費については、実費の額を超えない額で徴収することとされており(技能実習法施行規則第37 条)、技能実習生受入事業により収益が上がることは認められません。
③ 債務超過を解消できる期間(見込み)
許可日から3年後の時点で確認できる財務諸表において債務超過が解消できることが必要。

平成30 年7月1日以降の許可申請については、①直近の財務諸表(貸借対照表)で債務超過となっていないこと、または②直近の財務諸表(貸借対照表)で債務超過となっている場合には、例えば、以下のような措置により、今期の決算における債務超過の解消が確実視されることが必要です。

① 増資が実施済みである。
② 組合費・賦課金による収益、共同事業による収益等により債務超過を解消すること等について、当該団体の総会等決定機関で決定しており、債務超過解消が確約されている。

 

⑷個人情報の保護

監理団体は、技能実習生の賃金、職歴、国籍(国又は地域)等や実習実施者の情報など、個人情報として保護する要請の高い情報を取り扱うことになるため、個人情報を適正に管理し、秘密を守るために必要な措置を講じておかなければなりません。具体的には、指針に基づき、個人情報適正管理規程を作成しなければなりません。

個人情報の保護に関するポイントは、以下のとおりです。

① 技能実習生等の個人情報を適正に管理するための事業運営体制
 ・ 個人情報を取り扱う事業所内の職員の範囲が明確にされていること
 ・ 業務上知り得た個人情報を業務以外の目的で使用したり他に漏らしたりしないことにつき職員への教育が実施されていること
 ・ 本人から求められた場合の個人情報の開示又は訂正の取扱いに関する規定があり、その規定について技能実習生等への周知がされていること
 ・ 個人情報の取扱いに関する苦情処理に関する事業所内の体制が明確にされ、苦情を適切に処理することとされていること
② 個人情報管理の措置
 ・ 個人情報を目的に応じ必要な範囲において正確かつ最新のものに保つための措置が講じられていること
 ・ 個人情報の紛失、破壊及び改ざんを防止するための措置が講じられていること
 ・ 個人情報を取り扱う事業所内の職員以外の者による個人情報へのアクセスを防止するための措置が講じられていること
 ・ 監理事業の目的に照らして必要がなくなった個人情報を破棄又は削除するための措置が講じられていること

 

⑸外部役員及び外部監査

技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を実現するためには、監理団体が実習実施者に対して指導・監督を適切に行うことを担保し、監理団体が中立的な業務の運営を行うことが不可欠です。一方で、監理団体が、その組合員たる実習実施者を実習監理するに際し、中立的な業務の運営を行うことが難しい側面も存在することも事実です。このため、外部役員を置くこと又は外部監査の措置を講じることのいずれかの措置を監理団体が講じていることを法律上義務付け、外部の視点を加えることにより、監理団体の業務の中立的な運営を担保しようとするものです。
<外部役員を置く方法>
指定外部役員は、実習実施者に対する監査等の業務が適正に実施されているかの確認を、法人内部から担当する役員であり、監理団体の外部役員の中から指定を受けた者です。過去3年以内に外部役員に対する講習(第8章の主務大臣が告示した養成講習機関が実施する講習)を修了した者でなくてはなりません。
※ 経過措置が、平成32 年3月31 日に終了します。これによりすべての外部役員は期限までに講習を受講することが必要となります。

また、外部役員は、その「外部」性を担保する観点から、以下のような者であってはならないこととされています。

① 実習監理を行う対象の実習実施者又はその現役若しくは過去5年以内の役職員
② 過去5年以内に実習監理を行った実習実施者の現役又は過去5年以内の役職員
③ ①②の者の配偶者又は二親等以内の親族
④ 申請者(監理団体)の現役又は過去5年以内の役職員(監理事業に係る業務の適正な執行の指導監督に関する専門的な知識と経験を有する役員及び指定外部役員に指定されている役員を除く。)
⑤ 申請者(監理団体)の構成員(申請者が実習監理する団体監理型技能実習の職種に係る事業を営む構成員に限る。)又はその現役又は過去5年以内の役職員
⑥ 傘下以外の実習実施者又はその役職員
⑦ 他の監理団体の役職員(監理事業に係る業務の適正な執行の指導監督に関する専門的な知識と経験を有する役員及び指定外部役員に指定されている役員を除く。)
⑧ 申請者(監理団体)に取次ぎを行う外国の送出機関の現役又は過去5年以内の役職員
⑨ 過去に技能実習に関して不正等を行った者など、外部役員による確認の公正が害されるおそれがあると認められる者○ 指定外部役員には、監理団体の各事業所について監査等の業務の遂行状況を3か月に1回以上確認し、その結果を記載した書類を作成することが求められます。

<外部監査の措置を講じる方法>
外部監査人は、実習実施者に対する監査等の業務が適正に実施されているかの監査を、法人外部から実施する者として、監理団体から選任を受けた者であり、法人・個人のいずれでも外部監査人になることが可能です。過去3年以内に外部監査人に対する講習を修了した者でなくてはなりません。
※ 経過措置が、平成32 年3月31 日に終了します。これにより外部監査人は期限までに講習を受講することが必要となります。

また、外部監査人は、その「外部」性を担保する観点から、以下のような者であってはならないこととされています。

① 実習監理を行う対象の実習実施者又はその現役若しくは過去5年以内の役職員
② 過去5年以内に実習監理を行った実習実施者の現役又は過去5年以内の役職員
③ ①②の者の配偶者又は二親等以内の親族
④ 申請者(監理団体)の現役又は過去5年以内の役職員
⑤ 申請者(監理団体)の構成員(申請者が実習監理する団体監理型技能実習の職種に係る事業を営む構成員に限る。)又はその現役又は過去5年以内の役職員
⑥ 傘下以外の実習実施者又はその役職員
⑦ 他の監理団体の役職員
⑧ 申請者(監理団体)に取次ぎを行う外国の送出機関の現役又は過去5年以内の役職員
⑨ 法人であって監理団体の許可の欠格事由(法第26条)に該当する者、個人であって監理団体の許可に係る役員関係の欠格事由(法第26条第5号)に該当する者
⑩ 過去に技能実習に関して不正等を行った者など、外部監査の公正が害されるおそれがあると認められる者

外部監査人には、監理団体の各事業所について監査等の業務の遂行状況を3か月に1回以上確認し、その結果を記載した書類を作成・監理団体へ提出することが求められます。また、外部監査人は監理団体の役職員ではなく、監理団体が行う監査等の業務に従事することがないことから、監理団体が行う実習実施者への監査に、監理団体の各事業所につき1年に1回以上同行して確認し、その結果を記載した書類を作成・監理団体へ提出することが求められます。

 

⑹外国の送出機関との契約

監理団体は、外国の送り出し機関から取次ぎを受けようとする場合には、当該外国の送り出し機関の氏名・名称等について、許可の申請の際に申請書に記載するとともに、当該外国の送り出し機関との間で当該取次ぎに係る契約を締結していることが必要となります。その後、取次ぎを受けようとする外国の送り出し機関を追加・変更等しようとするときは、変更の届出(法第32条第3項)を行うことが必要となります。

また、外国の送り出し機関については、技能実習生になろうとする者からの技能実習に係る求職の申込みを適切に本邦の監理団体に取り次ぐことができる者として、規則第25条において定められている要件に適合する必要があります。取次ぎを受けようとする外国の送り出し機関が規則第25条において定められている要件に適合していることは、当該要件に適合していることを証明する書類を監理団体が当該外国の送り出し機関から入手して、申請書の添付書類として提出することが求められます。この点、送出国政府との間に二国間取決めがされている場合には、送出国政府が外国の送り出し機関の適格性を個別に審査することとなりますので、送出国政府から認定を受けている外国の送り出し機関(外国政府認定送出機関)であれば、規則第25条において定められている要件に適合しているものとみなします。

 

⑺優良な監理団体

優良な監理団体の基準については、規則第31条において、同条第1号から第5号までに掲げる事項を総合的に評価して、団体監理型技能実習の実施状況の監査その他の業務を遂行する能力につき高い水準を満たすと認められるものであることとするとされています。

 

⑻監理事業を適正に遂行することができる能力を有すること

①許可を受けた後に監理事業を適正に遂行する能力に関するもの
監理団体は、許可を受けた後に、技能実習法の関係法令に従って、監理事業を適正に遂行することができる能力を有し続けなければなりません。
 a. 監理費は、適正な種類及び額の監理費をあらかじめ用途及び金額を明示した上で徴収すべきこと(法第28条)
 b.自己の名義をもって、他人に監理事業を行わせてはならないこと(法第38条)
 c.適切な監理責任者を事業所ごとに選任すべきこと(法第40条)
といった事項は、監理団体が、技能実習法の関係法令に従って監理事業を遂行するに当たって必要不可欠な事項であるため、許可を受ける段階から、これらの事項について、適切に遂行する意思があることを確認することとなります。

②監理事業を行う事業所に関するもの
監理事業を行う事業所について、所在地、構造、設備、面積等が、以下の要件を満たしていることが、監理事業を適正に遂行する観点から求められます。
 a.所在地が適切であること
風俗営業や性風俗関連特殊営業等が密集するなど、監理事業の運営に好ましくない場所にないこと。例えば、同一の建物内に風俗店が存在している場合は、同建物全体の床面積の過半数を風俗店が占めている、又は、同建物全体の店舗数の過半数を風俗店が占めている場合には、風俗店が密集している場所と考えられます。また、監理事業を行う事業所の建物と風俗店の建物が別である場合であっても、監理事業を行う事業所の建物の両隣が双方ともに建物全体の店舗数の過半数を風俗店が占めている建物である場合には、風俗店が密集している場所とみなされます。
 b.事業所として適切であること
プライバシーを保護しつつ団体監理型実習実施者等又は団体監理型技能実習生等に対応することが可能であること。具体的には、個室の設置、パーティション等での区分により、プライバシーを保護しつつ団体監理型実習実施者等又は団体監理型技能実習生等に対応することが可能である構造を有すること。ただし、上記の構造を有することに代えて、以下の(ア)又は(イ)のいずれかによっても、この要件を満たしているものと認めること。また、当分の間、以下の(ウ)によることも認めること。
  (ア) 予約制、近隣の貸部屋の確保等により、他の団体監理型実習実施者等又は団体監理型技能実習生等と同室にならずに対面で技能実習に関する職業紹介を行うことができるような措置を講じること。
  (イ) 専らインターネットを利用すること等により、対面を伴わない技能実習に関する職業紹介を行うこと。
  (ウ) 事業所の面積がおおむね20㎡以上であること。
 c.監理事業を行う事業所の名称(愛称等も含む。)が、利用者に機構その他公的機関と誤認させるものでないこと。

③適正な事業運営の確保に関するもの
監理団体は、その存立目的、形態、規約等から認められる範囲で監理事業を行うものであることが求められます。また、法の次の各条文の内容を含む業務の運営に関する規程を有し、これに従って適正に運営されることが必要です。なお、この規程は、個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程と一体のものとして差し支えないものです。

さらに、団体監理型技能実習の申込みの取次ぎを受けようとする場合にあっては、次の要件を満たすものであることが必要です。
a. 申請又は届出を行った外国の送出機関のみを利用し、それ以外のものを利用するものではないこと。
b. 申請又は届出を行った国又は地域の技能実習生になろうとする者からの求職の申込みの取次ぎのみを受けることとし、それ以外の国又は地域を取り扱うものではないこと。
c. 我が国の出入国又は労働に関する法令はもとより、送出国の出入国又は労働に関する法令を遵守して活動するものであること。
d. 技能実習生等に対して渡航費用その他の費用を貸し付け、又は実習実施者等がそれらの費用を貸し付けた技能実習生等に対して、雇用関係の成立のあっせんを行うものでないこと。

以上で述べたもののほか、監理団体の役員や監理責任者としてふさわしくない者(例えば、役員や監理責任者が外国人である場合に在留資格で認められている活動の範囲を超えるときなど)がある場合などは、監理事業を適正に遂行することができる能力を有するとは認められません。

 

⑼欠格事由にあたらないこと

①以下のような罪に罰せられた者でないこと。
 ・この法律その他出入国又は労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた者がある場合(法第26条第1号(法第10条第2号)・政令第1条)
 ・社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者がある場合(法第26条第1号(法第10条第4号))
 ・役員のうちに禁錮以上の刑に処せられた者がある場合(法第26条第5号イ(法第10条第1号))
 ・役員のうちに暴力団関係法、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた者がある場合(法第26条第5号イ(法第10条第3号))
※いずれも、「刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」がその対象となります。

②技能実習法による処分等を受けたことがないこと

③労働基準関係法令で送検され、かつ、刑罰(法第10 条第2号及び第4号に規定されている罰金刑は除く。)が確定された者でないこと
※「申請の日前5年以内」に該当するか否かは、当該刑罰に係る行為時で判断することとし、刑罰の対象となった違反が技能実習生に係る違反か否かにはよりません。

④成年被後見人でないこと

⑤暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者)、暴力団員等がその事業活動を支配する者、暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者でないこと

 

まとめ

以上、監理団体について解説してきました。特に監理団体になるための要件はかなり細かく規定されており、要件を読むだけでも非常に時間がかかります。監理団体を立ち上げようとお考えの方は、事業協同組合の設立からスタートし監理団体の許可を取得することになり、長期的なプロジェクトになります。ですので、監理団体設立をお考えの方は、是非一度、tetote行政書士事務所にご相談下さい。

●監理団体許可のお問合せ先はこちら
外国人技能実習機構

 

 

【記事の執筆者】